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中標津へ~10日目~

晴れ

日中、友人であり、
今や有名なバーミントハンター(害鳥獣駆除ハンター)である、
じゅんさんを訪問する。

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彼とはそもそもロシア語サークルで知り合ったんだけど、
お互い個性が強いため、
類は友を呼ぶという感じで仲良くなった経過がある。
彼も田舎暮らし志向が強いというか、
そりゃあハンターなので山が大好きなわけだけど、
趣味でハンティングしたり、無用な殺生が好きなわけではなく、
食料確保と現金収入のためにやっている。
彼の腕前は相当なもので、1km先の鹿の頭も狙い撃ちするし、
それだけの銃と技術を持ったハンターはそうそういないだろう。
その技術の高さから大会などへの出場も薦められるらしいけど、
彼にはそういったものへの興味はないらしく、断っているとか。

北海道の農業において、エゾ鹿やカラスの被害が深刻で、
特にエゾ鹿は北海道において約52万頭生息しているといわれ、
年間の農業被害額は、北海道だけで40億円以上にも上っている。
これはかつて、鹿を襲って食べていた狼を、
人の手によって絶滅に追い込んでしまったがために起こっている弊害で、
狼のしていた役割を人の手で行わなければ、
生態系のバランスが取れなくなっているわけだ。

じゅんさんは農家から農協や役場に寄せられる駆除依頼をこなし、
1頭あたり数千円~1万円程度の収入を得て生計を立てている。
鹿は主に朝と夕方が狩猟の最も良い時間帯だそうで、
彼は多いときで1ヶ月に200頭もの鹿を獲った事があるとか。
それくらいこの辺では普通に鹿を見かけるし、
その数の多さたるや、ただただ驚くばかり。
もちろん、鹿肉や熊肉は食料としても活用する。
特に鹿肉は最近注目されている高級食材であり、
臭みもなくヘルシーで美味しい事から、
今後はただ獲るだけじゃなく、
加工していく事で付加価値もつけられるだろう。
じゅんさんは同時に私へもハンターへの勧誘を忘れない(笑)。
もちろん私にとっても、自分の牧場を守る上で有効だと思うし、
それが副収入を生み、また、食料を得られるという利点は大きい。
いずれ余裕が生まれたら検討しようと思う。
さて、そんな長話をしている内に夕方になってしまう。

18時から、我が家であるログハウスを貸していあるMさんと、
牧場を貸しているKO君とに夕食に誘われ、
久しぶりにログハウスに足を踏み入れた。

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中は小奇麗にしてあり、以前と変わっていなかった。
このログハウスも11月からは空き家になる可能性が高く、
今後も買い手なり借り手を探さなければならないのは残念だけど、
新規就農を目指すとなるとここに住めるわけじゃないし、
持っておいても借金だけが足枷になってしまうわけで。
誰かいないものかなぁ・・・なんとも勿体無い。
何度も書いてますが、興味のある方はぜひご一報を。

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夕食は豪華に焼肉をご馳走になってしまった。
中標津の東武にはなぜか沖縄のオリオンビールが売っているため、
この北の地で沖縄気分に浸れる(笑)。
MさんもKO君も家畜の獣医さんなので、
酪農関係の話題には事欠かない。

じゅんさんもかつて酪農と深い関わりのある仕事をしていたので、
同じような事を言っていたけど、
周りの農家に流されない、
自分なりの経営理念を持ち、収支バランスを取るのが大事であり、
農家は現金を見る機会がほとんどなく、
それにも関わらず常に大きな金額が動いているので、
金銭感覚が麻痺するようで、注意は必要との事。
見栄を張ったり、周りに流されたりで、
自分の経営形態には不必要な機械や設備を次々と導入し、
1千万円や2千万円といった借金を次々と作り出してしまい、
その借金の積み重ねが首を絞めていくとか、
パチンコに手を出し、収拾がつかなくなって離農するとか、
離農するには単に置かれている情勢が厳しいというだけではない。
サラリーマン経験があるかないかというのも結構違うようで、
社会に出てサラリーマンをしていた人は、堅実にやるんだそうな。
あとは牛や動物が好きかどうか。
牛や動物の事が嫌いなのに酪農をやっていても苦痛なだけで、
好きであればこそ、こだわりも見出せるし、牛を大事にする。
まあ考えてみれば当たり前の事だし、
その当たり前の事をきちんとこなしていけるかどうか、
そこが一番大事なんだろうな。
普通のサラリーマンの仕事だって、
やりがいやこだわりのない仕事に可能性はないわけで、
自然の恵みが直結する農業という仕事は、
私にとって最もやりがいのあるものだと思っている。

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