晴れ時々曇り
ふと、
富良野のワイナリーと
チーズ工房を見たくなり、
富良野へ。
富良野までは我が家からわずか120km、車で2時間もあれば行ける。
ラベンダーが好きで、中標津にいた頃もよく
富良野へ出掛けたけど、
中標津からだと300kmあるので、
仕事後の夜出発して車中泊したり、
キャンプがてらで行く事が多かったけど、
ここからだと気が向いたときに出掛けられる距離なのでありがたい。


我が家の近くの風景。
この辺は知名度は低いけど、ごく当たり前の風景が美しい。
鹿追町の瓜幕から新得町サホロに抜ける裏道を通り、
狩勝峠を越えるとそこは南
富良野町。
南
富良野町の幾寅から裏道を通って、
金山湖南側の鹿越から橋を渡って北岸へ。


ラベンダーで有名なのは、
富良野市よりも北にある中富良野町と上富良野町になるんだけど、
この富良野市の南にある南富良野町の金山湖のラベンダー園が、
個人的には一番のお気に入り。
昔ここで勝手にテント張って1泊したっけな(苦笑)。
ちょうど作業員の方が除草作業をしていたけど、
他には釣り人がいるくらいで誰もいない。
そもそもここにラベンダー園があることすらあまり知られていない、
マニアックなスポットかもしれない。
まだラベンダーは開花前だったものの、香りは漂っていた。
7月中旬頃になるとラベンダーが開花し、
湖の畔に広がる紫色の絨毯がとても綺麗になる。


中富良野町へ抜ける途中、
富良野市の山部自然公園太陽の里キャンプ場に立ち寄った。
ここも昔、ゴールデンウイークにキャンプした事がある。
その時はまだ寒い時期なので他に誰もキャンパーはいなかったけど、
アイヌネギも採れたし、カタクリやエゾエンゴサクが咲き乱れていた。
ここは貴重な無料のキャンプ場。
有料化しないで頑張って欲しいものだ。
ちなみにここにもラベンダー園があったんだけど、
全てパークゴルフ場に変えられていて興醒め。

富良野市の富良野
チーズ工房へ。
昔から何度か寄った事はあるんだけど、そのたびに定休日で、
中には入ったのは初めて。

まずは施設見学。

白カビ軟質
チーズの「メゾン・ドゥ・ピエール」と「セピア」。
黒い方がセピアで、イカ墨を入れているんだとか。
製品はこれに白カビが覆うので、外は白、中は黒のカマンベール。
このセピア、試食してみたけど美味しかった。

富良野
チーズ工房の顔といえばこの「
ワインチェダー」。
チェダーはチェダリングという塩を練りこむ独特の作業があり、
この際に富良野
ワインを入れて練りこみ、
赤
ワインの色が大理石のような模様を作り出している。
うちもワイナリーと
チーズ工房の両方を設立する日が来るのなら、
こういう
ワインをうまく使った
チーズも作ってみたい。
この
ワインチェダー以外にも、
イタリアにはブラ・チュックという、
ワインの絞り粕をつけて熟成させたチーズなんかもあり、
いつか挑戦してみようと密かに思っている。

富良野チーズ工房の売店。
ここは他にもピザ工房やアイスミルク工房なども併設してあり、
かなり賑わっていた。

昔のチーズ作りの道具。
銅鍋に乳を入れ、温度は直火で調整していたようだ。
何でも機械化してしまうのは味気なく、
こういうチーズ作りも楽しめたらと思うし、
実際チーズを作っていて楽しいのはこういうやり方。
いつも同じものは決して出来ないし、
全て手作業で手間隙はかかるけど、とても面白い。
チーズ工房などで体験的にチーズ作りをするよりも、
寸胴鍋とヘラで工夫しながらチーズを作る方が大いに勉強になる。
数年前はよく酪農家さんから牛乳を分けてもらって作ったよなぁ。

ちょっと立ち寄ったニングルテラス。
森は涼しい。
ニングルとは、作家・倉本聰氏の著書「ニングル」の作品に出てくる、
昔から北海道の森に住む身長15cmくらいの妖精の事。
ニングルテラスは、森の中に富良野の商品を中心に販売する、
ログハウスタイプの店舗が点在する村。

ドラマ「優しい時間」に出てくる喫茶店「森の時計」。
普通に喫茶店として営業しています。

自分が森林原野を取得できれば、
こういうウッドチップの道を整備し、馬で散策できるようにしたいな。

元ゴルフ場を利用した庭園。
ドラマ「風のガーデン」の庭がこの先にある。

富良野ワインを造っているシャトー富良野へ。
日本では酒造りの風味に対する基準がなく、
あるのは酒税を徴収するための酒税法のみ。
本来はシャトーやドメーヌといった言葉には色んな格付けがあり、
基準もあるはずなんだけど、
日本では勝手気ままに付けられていて、重みが無い。




施設を見学。
富良野ワインは、北海道ワイン、はこだてワイン、
十勝ワイン、
そして私も携わっていた
奥尻ワインなどと並ぶ、大規模ワイナリー。
海外も含め、あちこちから
葡萄や
葡萄果汁を集めてきて、
大量生産するというのは、造る立場としては好きではない。
私自身は貧乏人なので、
それなりのものを安く飲めるという点はあり難いけど。
だから自分がワイナリーをやるなら、
自分の栽培する
葡萄のみを使い、
葡萄の生産量も質を大事にするために制限し、
最低醸造量のみを仕込むこだわりの小さなワイナリーをやりたい。


富良野ワイン工場の
葡萄畑や、
契約栽培農家の
葡萄畑をいくつか見て周った。
十勝ワインと違い、雪国仕立てでやっていて、
しかも一番線がものすごく低い。
作業をするのに腰の負担が大きそうだ。
品種としては赤と白のセイベルが多いのかな。

中富良野町のファーム富田へ。
言わずと知れたラベンダーの聖地のようなところ。
商業的に合わなくなったラベンダー栽培、
周りのラベンダー農家も全て他の農業へと転身した後も、
ラベンダーが好きだからという一心で、
赤字を出しながら何年も栽培を諦めないで続けた結果、
とある写真家の写真が世に出て、観光客が集まるようになったとか。
経済的な理由だけで合理化したり、転身したりしないで、
自分の好きなものを徹底的にこだわり続ける事で、
評価されるものが必ずある。
自分もやると決めた以上、信念は曲げずにやり続けるし、
好きなものに妥協はしたくはない。

エゾネギ(チャイブ)の花。
周りの観光客が、何の花か分からないのに違和感。
みんなエゾネギも知らないんだな・・・。
これだけまとまってエゾネギがあると、見事。
このエゾネギの花もお酒に浸けたりすることが可能。
葉はネギと同じように薬味に出来るし、
どんどん増えるので、ハーブガーデンには欠かせない。

日本のバラであるハマナスがとても良い香り。
かなり離れてもバラの素晴らしい香りが漂っていた。
我が家も先日、
真鍋庭園でスノーペイブメントという薄桃色のハマナスを買ったけど、
庭の周りの生垣代わりにスノーペイブメントを沢山植えようかな。

残念ながら露地のラベンダーはまだ咲いていなかったんだけど、
ハウスのラベンダーは濃紫早咲が咲いていた。
一番遅く咲く露地のおかむらさきが開花するのは7月中旬だろうから、
その頃また見に来たいなと思う。
いつも見事な彩の丘はまだ全く彩りがなかった。

ちなみにここのラベンダーのソフトクリームがとても美味しい。

上士幌に戻る途中、隣町の
鹿追町瓜幕の道の駅へ。
もう時間が遅かったので閉まっていたけど、
ここは日本で唯一、乗馬の出来る道の駅。
鹿追町が経営する
鹿追ライディングパークが併設されていて、
町自体が乗馬に力を入れている珍しい自治体なのだ。
草競馬場やパークゴルフ場も綺麗に整備されていて、
とても良い場所だと思う。
日が沈む頃、帰宅。
なんだか視察研修のような充実のドライブだったなぁ。