
今日は北方領土の日。
果たしてどれくらいの今の日本国民がこの日を認識しているのだろうか。
今の日本で一番解決しなければならないのは、まずは領土問題。
景気を良くしてくれとか、第一次産業を大事にしてくれとか、
そういう事以前に、国土というのは国家を形成する上で一番の基本であって、
その国土が確定していない、不法占拠されている状況というのは、
とても不安定で、なおかつ国家の存亡に関わる問題だと思うんだけど。
この事に関して世論が盛り上がらないのは、平和ボケしてる証拠。
尖閣問題も竹島問題も、日本の弱腰外交が大いに影響している。
あと、学校教育もおかしい。
社会科の授業の中でほんのちょっと触れられるくらいでは、
北方領土問題についてよく分かってない大人が増えるのも当然。
私も、この問題のお膝元である根室管内に移住したからこそ、
いかに大きな問題であるか、
そして理解されていない問題であるかを痛感したわけで、
受験に受かる事に偏重してしまった今の学校教育に疑問を抱いたものだ。
今の日本国民に、北方領土の地理や歴史について、
ちゃんと答えられる人がどれくらいいるんだろう?
下手をすれば、北海道の東の果て、根室半島の沖合にある事すら知らない、
択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島という北方四島の名前すら言えない、
そんな人が多いはず。
これら北方四島の面積の総計は5,036平方キロで、
沖縄県の約2.2倍、愛知県とほぼ同じくらいの面積を誇り、
しかも、四島のうち国後島、択捉島は、いずれも沖縄本島より大きく、
特に択捉島(3,184平方キロ)は鳥取県と同じくらいの大きさがある。
もっとも近い歯舞群島の貝殻島までは、
北海道本土からわずか3.7キロしか離れておらず、距離的にもとても近く、
国後島や歯舞群島は、肉眼ではっきりその島影を確認できる。
かつて北方四島には1万7千人の日本人が住んでいて、
色丹島には色丹村が、国後島には泊村と留夜別村が、
そして択捉島には留別村、紗那村、蘂取村といった村々があった。
それを第二次世界大戦後のどさくさにまぎれ、
日本が降伏してアメリカ軍が進駐してくるまでのわずかな期間を利用し、
ソ連が相互不可侵を約束した日ソ中立条約を破って侵略、
挙句の果ては住んでいた日本人を全て強制退去させる暴挙に出た。
今はこの北方四島を返還して欲しいという主張がメインであるものの、
全千島列島は、「樺太・千島交換条約」で平和裡に手に入れた領土であるから、
外国の領土となることは、
領土不拡大をうたったカイロ宣言に反する不当な戦後処理であったという理由で、
北方四島だけじゃなく、全千島列島を返還すべきという主張や、
「日ソ基本条約」を根拠に、
全千島列島および南樺太も返還すべきという主張がある。
いずれにしても、この問題を次の世代にまで引きずる事無く、
一刻も早い解決を期待したい。
ロシアは日本に最も近い隣国。
日ロ間の本当の友好関係を築く上でも、この問題の解決なくしては前へ進まない。
何とか返還の道筋を付けて欲しいものだ。
そうじゃないと、日本が国家として独立しているとは言えないだろうし、
まずは国土を確定する事を政権公約の第一に掲げて欲しいと、
今の日本政府、あるいは各政党に対して思っている。