晴れ時々曇り
十勝池田町で行われる
十勝ワインバイザー認定試験受験のため、
朝5時に出発、車で向かう。
阿寒横断道路を走り、会場に着いたのは8時半頃。

会場は池田町田園ホール。
かなり立派な建物だ。

受け付け開始は9:50だったものの、9時には会場に入れてもらえた。
もちろん一番乗り~。
写真撮影をされ、午前中は講義を受け、
午後から、筆記試験とテイスティング試験が課せられた。
十勝ワインは、日本では長い方の47年の歴史があり、
まさに冬の寒さとの闘いの歴史を持つ、
池田町が運営する自治体ワイナリー。
私が住んでいる中標津という町もそうだけど、この池田も同じで、
道東太平洋側という地域は、
冬に数回しか除雪しない年もあるくらい雪があまり降らず、
冬といえば基本的に晴れの日が多いため、
内陸は放射冷却現象によって冷え込みが厳しいという特徴がある。
そのせいで葡萄は、山葡萄を除いて冬枯れを起こしてしまう事から、
冬の前に葡萄の木を架線から外して培土し、
春になったら排土して再び架線に枝梢誘引しなければならないという、
他のワイナリーにはない手間がかかる。
最初は極早生品種のセイベル13053をクローン選抜して「清見」を創出し、
それが
十勝ワインの代名詞のようになった。
その清見に山葡萄を交配し、冬に培土しなくても越冬できる、
「清舞」(2000年)、「山幸」(2006年)という2品種の作出に成功、
今後は耐寒性「白」品種の作出が悲願だという話をされていた。
新たな葡萄品種を作り出すには最低でも10年かかる大変な作業で、
長期的展望を持ち、気象条件にめげず、
ここまでやってきたその努力は素晴らしいと思う。
耐寒性白品種も、ここ数年の内に作出されるのではと、
個人的に期待をしている。
ただ内陸である事と冬の寒さはデメリットばかりではない。
それは、秋の気温の日較差が大きいため、糖度の上りが良く、
酸が豊富に残った葡萄を収穫できるという事、
そして葡萄にとって最大の敵であるフィロキセラという病害虫も、
その冬の寒さで死滅してしまうため、
葡萄の苗木を抵抗性台木に接ぎ木する必要がなく、
ありのままの葡萄の木で勝負できるという事がある。
酸が豊富な葡萄というのは、
単に長期熟成に耐えうる
ワインになるだけじゃなく、
瓶内二次発酵方式によるスパークリング
ワインの醸造や、
ブランデーの蒸留においても、
素晴らしい風味を作り出す点でとても重要な意味を持っている。
ちなみに1991年と1999年は葡萄の出来が良く、
その年の葡萄で造られた
ワインはグレートビンテージと呼ばれる。
2010年の今年も夏が猛暑となり、
気温の推移も1999年と酷似している事から、
今年の葡萄で造られるワインは、
グレートビンテージになる可能性が高いそう。
さて、今回この
十勝ワインバイザーの試験を申し込んだところ、
事前にテキストが郵送されてきていた。
そのテキストが非常に興味深く、
ワイン造りに携わっていた私でさえ新鮮な面白さがたくさんあり、
それだけでもとても有意義だったと思う。
ちなみに最後のテイスティング試験に出されたワインは、
私が事前に飲んだ「清見」でも「山幸」でもなく、
「清舞」「セイオロサム赤」「ツバイゲルト」という、
ある意味驚愕の組み合わせだった。
この3種類はどれも似通っていて、
今年のテイスティング試験は難しかったのではと思う。
これが1本でもシャトー
十勝や山幸でも入っていれば、
もう少し分かりやすかったのになぁ・・・。
ただ、清舞は他のより樽熟成期間が長かったのか、
ほんの僅か茶色がかっていたように見えたし、
セイオロサムは清見由来のほんのり甘い香りを感じ、
ツバイゲルトは無難で酸も穏やかな味だったように思う。
幸い、私はこのテイスティングは正解したので、ホッとした。

試験を終えて、せっかくなのでワイン城へ。
白の「バッカス2008」とスパークリングの「フィーストロゼ」を買った。
本当は「ブルーム」というスパークリングワインが欲しいんだけど、
限定醸造だし、本数も少なく、滅多にお目にかかれない。
このブルームは、シャンパンと同じ瓶内二次発酵法で造られ、
2ヶ月間の瓶内二次発酵によって発生した炭酸ガスが、
2年間の瓶熟成でワイン中に溶け込んできめ細やかな泡となり、
その後2ヶ月間毎日瓶を8分の1回転ずつさせて澱下げをし、
下がった澱(酵母)を凍結させる事で除去してコルクを打ち、
さらに3~6ヶ月間コルクに馴染ませてから出荷に至るという、
本当に手間がかかった醸造技術の結晶とも言えるのが、
本物のスパークリングワインなのだ。
瓶詰時に人工的に炭酸ガスを注入して瓶詰めする、
なんちゃってスパークリングワインとは全然違う代物。
スパークリングワインはよく食前に飲まれるけど、
白ワインと赤ワインの良さを併せ持ち、食中に飲んでも良い、
万能で素晴らしいワインでもある。

ワイン城横の葡萄の木はちょうど剪定始まったばかりのようだった。

ワイン城のすぐ近くにあるハピネスデイリー。
ここも昔からあるけど、ジェラートが美味しい。


帯広市街へと出て、ジョイフルAKへ行ってみる。
ちょうどクリスマスシーズンが近いため、電飾が美しく配され、
なかなか見事だった。
我が家も庭に育っているコニファーの「サンキスト」があるので、
それに飾り付けをしてクリスマス気分になろうかな(苦笑)。


晩御飯は十数年ぶりに「ランチョ・エルパソ」へ行ってみた。
帯広畜産大学の学生時代、よく焼き飯スペシャルを食べたなぁ(笑)。
写真はラムチャパティと豚ホルモンの唐揚げ。
懐かしかったな。
20時くらいに帯広を出て、
中標津の自宅に戻ってきたのは23時半頃だった。
今朝は4時に起きたので、帰りの運転は眠かったなぁ・・・。
でもまあ、とっても有意義な一日でした。