



晴れ 最高気温10.7℃ 最低気温4.1℃
今日は仕事は休み。
実は昨日から北海道新聞さんの取材を受けていて、
昨日はワイナリーで、そして今日は自宅でその対応をした。
ワイナリーでは、建築会社が取り組む新規事業に伴う
移住者という立場で、
そして我が家では、馬を飼い、農業を志しつつ、
このホームページを通じてボランティアでホームステイを受け入れ、
仲間組織である金太郎会の運営と、
新たな
移住者を育てる活動についてお話をした。
朝、ポーレを裏山から連れてきて手入れをし、記者の方を迎えに。
そして話をしながらポーレとともに裏山に上がったり、
ポーレやレザンと触れ合いながら写真撮影。
その後は自宅の中での金太郎会の活動内容などを中心にお話を。
世の中には潜在的に馬を飼いたいっていう人はいるもので、
私は表立ってホームステイを受け入れますとか、宣伝しているわけではないけれど、
このホームページを見てくれて興味を持ってくれた人が、
時々、実際に自分の目で見て、話をし、滞在してみたいという人が現れる。
基本的に来てみたいという人を拒否する気持ちも無いので、
そこはお遍路さんへの接待と同じような気持ちでホームステイも受け入れている。
そうやって今まで中標津時代を含めると50人以上の人を受け入れてきたけど、
その来てくれ、滞在していった人の意見で、
平成16年8月13日に仲間組織として「金太郎会」なるものを立ち上げた。
以前の職場では地域の馬産振興を担い、馬事振興会の事務局などもしていたので、
同じような感覚で規約を作り、会員名簿も作り、
会報誌を年に数回発行したり、イベントやツアー、パーティなどを企画し、
オリジナルグッズ(ブルゾン、つなぎ)を作ったりもしてきた。
馬という動物を正しく理解してもらう事、
馬の魅力だけじゃなくその土地、その地域の魅力を伝える事で、
馬を飼うことを現実的に考えてくれる人を、
そしてその地域に
移住してくれる人を、地味~に応援してきたつもり(苦笑)。
おかげで実際に北海道へと
移住してきてくれた人も数人いるし、
今こうして
奥尻島でその活動を継続する事で、
自分に続く
奥尻島への
移住者をと、そして
奥尻を元気にしたいという思いがある。
やっぱり私が自分で気に入って
移住した
奥尻島なので、
馬だけではなく、この
奥尻の魅力を伝えたいし、
奥尻に来て欲しいと思っている。
そういう点では先日のmikuさんの滞在と、
奥尻へ移住したいという気持ちを持ってもらえた事は大きい事で、
次に繋がる大きな一歩なのかもしれない。
奥尻
島は10年前、約4,300人もいた人口が、今や約3,300人。
10年間で1,000人もの人が減っているのだ。
30年後、40年後、どうなっているのかと考えるととても恐ろしい。
中標津にいた頃は、自分がどうこうしなくても勝手に人口は増えていたので、
町のために人口を増やさないとと思う事もあまり無かったけど、
奥尻
島に移住してきてからは、
島のために何とかしたいと思うし、
新たな移住者を育てる努力をしないと、奥尻島から人がいなくなってしまう。
そういった事は行政に任せていればいいというものではなくて、
奥尻に住む人々が奥尻の魅力を認め、積極的にその魅力を発信し、
奥尻のためにという気持ちを持っていなくては、なかなか移住者は増えない。
私は奥尻島が気に入って移住してきたけれど、
未だに、「何でこんな辺鄙なところに来たの?」とか、
「ここは人が住むところじゃない」とか、
奥尻に住んでいるのに奥尻を評価してない人は現実的にたくさんいるわけで、
そういう事を言われ続けると、
奥尻に来ても良さが分からないまま去っていく人も多いのではと思ってしまう。
奥尻の良さは、奥尻のありのままの海であり、山であり、川であって、
ツアーで周ったり、鍋釣岩を見たり、ウニやアワビを食べただけでは、
その魅力の1割も分からないはずだ。
水が豊富にある事は、島でありながら自給自足の可能性が充分にあり、
また、冬に雪が積もり、四季がはっきりしている事も魅力だと思う。
30m近い透明度を誇る奥尻の海は、
日本だけじゃなく、世界的に見ても屈指の美しさだと思うし、
ダイビングやサーフィンをするのにもこれほど恵まれたフィールドはあまりない。
素人でも竿を垂らせば魚が釣れるし、
水田があってお米がとれるし、畑を耕せば生きていくのに充分な作物が栽培できる。
南国の魅力と北国の魅力を併せ持つ奥尻島の魅力は、一言では言い表せない。
私は、私を通じて奥尻へと移住してくれる人が増えてくれば、
コミュニティのようなものを作ってもいいと思うし、
移住者受け入れのための組織をちゃんと設立してもいいとは思っている。
また、単なる移住というよりは、馬を飼うとか農家になるとかもいいだろう。
馬を飼いたいと思っている人も、
私が土地を提供できるようになれば共同で馬を飼うことも出来る。
畑だって出来るだろう。
でもそのためには私と価値観が近くなければならないし、
そうじゃないとお互いにストレスになる事は目に見えている。
ただ、ホームページを通じてやってきてくれる人は、
私のやり方、考え方にある程度共感してくれてやってきてくれるので、
そういう点では価値観が近い人が集まってくるとも言えなくも無い。
私はこの奥尻で農家になりたいと願っているけど、
目指す農業は今主流となっている現代的な機械化された大規模農業ではなく、
自給自足の延長上にある泥臭い小規模農業だ。
お金を得る事が主な目的となっている今の農業は本来ではなく、
自分の食料は自分でまかなうのが主な目的で、
その余剰を現金化するというのが本来だろう。
こうしてインターネットが普及したおかげで、
人との出会いも、日常的な買い物も、インターネットで済ませる事が出来る。
つまり、田舎暮らしによる不便さ、デメリットは解消されつつあり、
島から出なければ用事を足せないような事もない。
私は都会でリストラされた人が都会に拘る気持ちが全く理解できない。
現金収入は半分になったとしても、地方であればそれで豊かに暮らせる。
金銭的な豊かさだけじゃない、心の豊かさある暮らし、
それは都会では決して得られない贅沢な事だと思う。
話がそれてるけど、私は移住者なので、移住者の視点で島を評価し、
島を活性化するためにも移住者を増やしたいと思う。
単に観光客を増やしてお金を落としてもらえばそれでいいという考えではなく、
そのときお金を落としてくれなくても、将来に繋がる人を呼び込む事、
そして再び奥尻に来てもらえるような鮮烈な印象を与える事が大事だと思う。
おかげさまで我が家に滞在し、金太郎会に加入してくれた人は78名にもなり、
自分にとっても、全国にこういう仲間が出来た事は大きな財産だと思う。
今まで雑誌や衛星放送で取材を受けた事はあったけど、
あくまで馬との暮らしというものがメインだった。
今回の北海道新聞さんの取材はちょっと視点が違うと思うので、
私にとってもどういう風に記事にしてくれるのか、楽しみにしていよう。
そうそう、ワイナリーでの話と、我が家での話は別々の記事になるそうだ。