朝6:30、夜行バスが札幌駅に到着。
特に札幌でやることもないしと思い、
すぐに新千歳空港行きの快速エアポートに乗り込んだ。
新千歳空港に着いてみると何やら異常に長い行列が続いていて、
ふと電光掲示板を見上げてみると、システム障害で全ての業務が停止中。
慌てて、13:50の成田行の便はどうなるんだと係員に尋ねてみると、
そのうち復旧しますから通常通り運行しますのでしばらくお待ち下さいとの事だった。
ちょっと安心して、しばし空港をうろうろして、30分後に再び元の場所に戻ってきても一向に状況は変わっていない。
やれやれと思って再度掲示板に目を通していると、
13:50の成田便のみ赤字になっているのが気になってきた。
何となく嫌な予感がして、再度、今度は別の係員に尋ねてみると、
13:50発の成田行は欠航となっていますとのお言葉!
それは困るとカナダ行きのチケットを手渡して交渉してみると、
意外や意外、システム障害によって7:50発の成田行がまだ離陸できていないため、
そちらの便へ振り替えてあげましょうという神のお言葉が!!!
是非にとお願いし、慌てて搭乗手続きを済ませて飛行機に乗り込み、
定刻より1時間半ほど遅れて、9:20頃に新千歳空港を飛び立つことが出来た。
この時ばかりは夜行バスで札幌に出て、すぐに新千歳空港へ向かった事、
そして係員に再度尋ねた事、これらに関わる全ての行動が功を奏し、導かれている思いがした。
おかげで成田空港には早々と11:00頃に到着。
バンクーバー行の便は17:00発だし、エアカナダの係員は午後から出てくるとの事。
仕方なく成田空港内をうろうろし、
最終的には屋上で日向ぼっこをしながら飛行機の離着陸を眺めていた。
14:00になってようやくエアカナダの係員がやってきたので、搭乗手続きのために並ぶ。
そして自分の番になって、チケットを渡した係員の顔がこわばるのが分かった。
近くにいた別の係員に何やら尋ねているが、それでも分からなかったらしい。
恥ずかしそうに、最終目的地はサスカ※@#ですねと、小さい聞き取れない声で言われた。
そう、サスカトゥーンを知らなかったのだ。
これは驚きだった。
いくらなんでもエアカナダの係員をやるなら、空港のある都市名くらい全て把握しておいて当然。
おまけに、どうしてここへ行くんですかとまで言われる始末。
何か腑に落ちなかったので、素敵な場所なんですと答えてその場を後にした。
搭乗手続きを終え、手荷物検査をパス。
税関に申告する外国製品も特にないのでパスし、出国検査へ。
ここも特に問題なく通過して、日本であって日本じゃない場所に到達できた。
そしてエアカナダ004便は無事に成田を飛び立ち、バンクーバーへ。
機内で2度の食事。
夕食はビーフorチキン?→ビーフ、朝食はオムレツorジャパニーズスタイル?→オムレツと頼んだ。
バンクーバー行きの便は意外と日本人も多かったけど、
近くにいる日本人は全て朝食はジャパニーズスタイルを頼んでいた。
いつも食べてるのにどうしてあえて日本食にこだわるのかと思ったけれど。
機内で寝ようと努力し、2時間ほどは浅い眠りを取れただろうか。
ついに飛行機はカナダ、バンクーバーに到着!、そしていよいよ入国審査へ。
ツアー客などは日本人スタッフに入国審査票の書き方などを指導されていたが、
頼るべき人もいないため、やばそうな項目はすべてNoにチェックを付けた。
この審査票とパスポートとサスカトゥーン行きのチケットを見せれば大丈夫と思い、
いかつい無愛想な入国審査官の面前へ。
まず最初に訊かれた質問は定番の旅の目的は?というものだったので、
余計な事は言わない方が賢明だろうと思って、観光と。
次に最終目的地はどこだと訊かれたので、サスカトゥーンと答えると、即座にWhy?と。
この時点で半分頭が真っ白。
なぜって言われてもなぁと思いつつ、
友達がいるから会いに行くんだというようなニュアンスを英語で伝えると、
その友達とはどういう人でどこで知り合ったのかと訊かれる。
余計なお世話だと思いつつ、彼等は日本から移民した方々で、
深い付き合いをさせてもらっているんだと答えた。
そうすると深いため息をつかれ、日本では仕事をしているのか?と訊かれたので、
農業関係の組織で馬関係の専門職をやっています(多分この辺はもう滅茶苦茶な英語)と。
他にも何か色々と訊かれたし、5分以上費やされ、変な汗をいっぱいかいた面接だったけど、
やがて何も言わずスタンプをバンと押してくれた。
これでもう大丈夫だと一目散に退散。
今度は預けたスーツケースを受け取る場所が分からず、うろうろしていると、
警備員に声をかけられ、パスポートをチェックされる。
不審者だと思われたのかもしれないが、これはとばかりに、
自分の荷物はどこで受け取れるのかと英語で尋ねてみると、
一応ちゃんと伝わったらしく、そこだと指差してくれた。
こうして無事に荷物を受け取り、バンクーバー空港内に。
ここでようやくホッとして、カナダに入国できたんだなぁと胸をなでおろしたわけで。
この入国審査、後から考えてハッとしたのは、帰国用のチケットを提示してなかったなと。
それであんなに長々といろんな質問をされたんだと納得するとともに、
よくぞそれで許可してくれたものだとちょっと感謝感謝。
分からないというのは怖いもの知らずだなぁと思った。
バンクーバー空港をぶらぶらしていると両替所が目に入った。
たまたま昔ハワイに行った時のアメリカドルが少しあったので、
これはここでカナダドルに換えておくといいかもと思い、
どうやって言うのかちょっと頭で考えていざチャレンジ。
意外とすんなり伝わり、無事カナダドルが手元にやってきた。


さらに歩いているとティムホートンという喫茶?が目に留まった。
あ、ここはユカさんが言ってたところだと思い出し、
フレンチバニラとシナモンロールを頼んでみると、
シナモンロールが伝わらず、this oneと指差し、難を逃れた。
フレンチバニラもシナモンロールもとてもおいしかったし、変な満足感でいっぱいに(苦笑)。
ちょっとの頭痛と高揚感で、今度は国内乗継ターミナルへと移動した。

サスカトゥーン行きの搭乗待合室へ行ってみると、もちろん日本人の姿なんてない。
飛行機は50人乗りくらいの小さな飛行機で、ここまでくると不安感はなくなり、
完全にどんな事が起こっても何とかなるはずという、いつもの状態に。
2時間のフライトの後、サスカチュワン上空が窓から目に入るようになり、
その風景はまさに、よりスケールの大きな中標津という感じだった。
サスカトゥーン空港に到着し、荷物を受け取りに行きながら、
ユカさんに電話しなきゃな~と思っていると、背後から「キンタローさん」という声が。
ハッと振り返るとそこにユカさんがいた。
初対面だけど初対面じゃないみたいな不思議な感覚があり、
あ~着いたんだと心の底から思った瞬間だった。
ユカさんとの出会いは、今回の旅のきっかけを作ってくれた人であり、
そして間違いなく人生の岐点となる出会いだったのだ。
ユカさんからの手紙がなければ今の自分はなかっただろうし、
こうしてホームページを立ち上げてなければありえない出会いだった。
ユカさんの車に乗せてもらい、滞在中お世話になるメニングさんのお宅へ。
みんなとても気さくで良い方ばかり、
メニングさんは狩猟や釣りが趣味だとかで、猟銃にライフル、そしてクロスボウを見せて頂いた。
特に日本の狩猟免許では許可されないクロスボウには興味深々、初めて見た。
こうして終わった長い長い一日。
これから起こる事にわくわくしながらベッドに入った。