この日はメンバー全員フリー行動。
それぞれ行きたい島へ行こうという事になっていた。
俺は西の果ての与那国島へ行ってみたいと思っていたけれど、
どう調べても日帰りは出来そうも無い。
というわけで次の候補、
有人では最南端の波照間島へ行く事にした。
もちろんそんなところへ行きたいという人間はマニアックな俺しかおらず、
波照間島へは単独行動となった。
石垣島~波照間島は実質一日3往復しかなく、
始めは朝の便で行って夕方の便で帰ってくる事を想定していた。
ところが時刻表の昼の便の時間が書いてある端の方に、
大原(西表島)不定期と書かれているのに気が付いた。
波照間島は石垣島としか結ばれておらず、
波照間島から石垣島以外の島へ直接行く事は普通は出来ない。
でもこの小さな文字が気になって問い合わせてみた。
すると波照間島・西表島2島ツアーというものがあって、
そのツアーの申し込みがあった時だけ、
波照間島から石垣島への昼の便が途中西表島に寄港するのだそうだ。
俺は自由の無いツアーに申し込みする気持ちはなく、
フリーで行動するのが好きなので諦めかけたが、
しつこく詰め寄ってみると、
もし他にツアーの申し込みがあって西表島に寄る事になれば、
降りても構わないという許可を貰った。
最終的に1人だけそのツアーに申し込みがあったらしく、
俺は西表島へ寄る事が出来る事になった。
というわけで終日波照間島でのんびり過ごそうと思っていたのが、
午前中は波照間島、
午後からは西表島ということにした。
朝早く石垣島の桟橋へ行き、
安西観光の波照間島行きの船に乗る。
噂どおり西表島から先の海は荒れており、
ものすごく揺れに揺れる。
1時間の船旅は結構スリルがあった。
波照間島は一周15kmほどで人口500人程度の小さな島。
観光地化されておらず、
美しい自然と古き良き街並がとても素晴らしかった。
まず波照間港ターミナルで幻の泡盛「泡波」をゲット出来た。
泡波は従業員が2人しかいない波照間酒造の泡盛で、
波照間島内でほとんど消費されてしまうため、
例え波照間島を訪れたとしても買う事がとても困難な泡盛だ。
それが偶然運良く手に入ってしまった。
これは幸先いいぞと島の中心部に向って歩いてみる。
学童慰霊の碑やコート盛、最南端の派出所を過ぎて、星空荘という民宿へ。
ここで日本最南端の証を発行してもらって、
レンタルサイクルも借りる事にした。
自転車に乗って街並を楽しみ、島の東へと向う。
東の果てには石垣島から9人乗りの飛行機が1日1便しか運行しない、
波照間空港がある。
この飛行機も一緒に写真におさめようと、
飛行機の時間まで調べて来たのに間に合わなかった。
途中で自転車のチェーンが外れたり、
意外と寄り道をして写真を撮ったりしていたため、
波照間空港目の前にしてその飛行機が飛び立ってしまった。

波照間空港を後にしていざ最南端の岬へ向う。
途中星空観測タワーを通り過ぎ、
日本最南端へと到着した。
日本最南端の碑の遥か先はフィリピン群島があるわけで、
なんとなくとても感慨深く感じた。
ここでしばしぼーっと過ごした後、
ゆっくりと海沿いを西へと向った。
道路沿いにはアダンの木が植えられていて、
時々パイナップルみたいな実をつけているのに気付いた。
食べられるかどうか分からなかったけれど、
とりあえず一つもいでみた。
(後から調べてみるとアダンの実は普通食べないそう。
でもこの実はヤシガニやヤドカリの好物だそうで、
実以外では葉を使って草履を編んだり、
芽は料理にも使われるそうだ。)
アダンの実のせいでパンパンにふくれたリュックを背負い、
また市街地へ戻って自転車を返した。
そこからは歩いて波照間酒造を外から見学し、
「モンパの木」というオシャレなお店で買い物をした。

最後にニシ浜ビーチへ。
クリームソーダ色の海と真っ白な砂浜がとても美しい。
黄昏れている人も何人かいて、
俺も時間があればきっとそのうちの一人になっていただろう。
それくらい素晴らしい場所だった。
後ろ髪引かれる思いで昼の船に乗り、
波照間島を後にして西表島に到着。
他のメンバーと合流して路線バスを使って由布島へ。

そう、ここはかの有名な水牛車に乗ってわたる島。
水牛車の御者は沖縄三線の弾き語りをしながら、
のんびりと牛は進んで由布島へ到着。
由布島自体は熱帯植物園のようになっていて、
1時間もあれば歩いて全部見てまわれる大きさだ。
すぐ先には小浜島を臨んでいる。
一通り観てまわってお土産も買い、
再び水牛車に乗って由布島を後にし、
西表島の大原港に戻り、
船に乗って石垣島へと夕方帰って来た。
石垣市のあやぱにモールでお土産を買いあさった後、
夕食は「三虎」にて石垣牛のステーキを食べた。
朝も昼も何も食べる事無く走り回った一日だったので、
とてもお腹が空いていて、
ステーキがお腹に収まってようやくお腹が落ち着いた~。