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帯農高がブラウンスイスの研究?!

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晴れ 最高気温:24.5℃ 最低気温:11.8℃

9月17日の十勝毎日新聞の記事にあったんだけど、
帯広農業高校が家畜改良センターと連携し、
牛のブラウンスイス種の飼育環境の確立と繁殖力向上を目指すそう。
うちもブラウンスイスは、ポピーとその娘のウイユがいるし、
今年ポピーを受胎させるのに大分手こずった上、
ウイユの採卵にも挑戦したいとは思っているので、
漫画「銀の匙」で一躍有名になった帯広農業高校の、
このブラウンスイスの研究の結果がどうなるのか興味深い。
ブラウンスイスは他の牛種よりも妊娠期間が長かったり、
繁殖そのものが難しいとされていて、
可愛い見た目とチーズ向きの乳を出すブラウンスイスは、
独特の飼育技術、繁殖技術が求められているのかもしれないな。

※写真は生後3ヶ月齢の時のウイユ

TMRセンター利用農家さんへ見学

晴れ 最高気温:19.8℃ 最低気温:6.1℃

10月から上士幌TMRセンターから餌の供給を受けるにあたって、
どういう風に餌を受け入れ、給餌しているのか参考にしたく、
3件のセンター利用農家さんを訪れ、見学させて頂いた。
効率よく給餌するためには給餌機があると便利なので、
譲ってもらえるかもしれないところに相談を持ちかけているんだけど、
もし無理ならフードカーとフォークで給餌すべく頑張らねばならない。
どういった機械や道具があると便利なのかとても参考になったし、
分離給与からTMRへの餌の変更がどんな影響を及ぼすのか、
とても参考になるお話も頂き、有難かった。
乳量が増加する分、疾病が増えないかという点と、
発情をあまり見せなくなって繁殖に苦労するという点がどうなのか、
高い餌なのでそれに見合った経営が出来るのか、
実際にやってみないと分からない事だらけではあるんだけど、
うちは単に牛の頭数が増えただけじゃなく、
二産目を迎え、分離給与でも30~50キロの乳量が出る牛の割合も増え、
粗飼料の確保が難しくなってきている影響も大きく、
真夏で飼料が傷みやすい時期も過ぎ、
切り替えるタイミングとしては今は良い時期かなと思っている。
もちろん全ての牛にTMRを給与するのは経済的に厳しいので、
あくまで乳量の出ている泌乳前期の牛を中心に与え、
泌乳後期の牛や乾乳の牛にはTMRに草を混ぜて調整するつもりでいる。
10月まで残りあまりないけれど、
準備できる部分は準備し、TMR受け入れに備えたい。

猟銃検査

晴れ 最高気温:15.1℃ 最低気温:-1.0℃

警察の猟銃検査があり、
銃を、所持許可証や各種書類と共に持ち込む。
検査自体はすぐに終わり、
猟友会の事務局の方と少し話していたんだけど、
やはり今持っているハーフライフルでは、
鹿撃ちくらいにしか使い道はないらしい。
まあ逆に、散弾銃では難しい鹿撃ちが出来るのは凄いんだけど、
鹿撃ちに向いている朝や夕方は搾乳の時間帯なので、
酪農やりながら鹿撃ちに山に入るのは厳しいかもしれない。
もしカラスなどを撃つなら散弾銃や空気銃が必要となるので、
結局、用途に応じて複数の猟銃を揃えなきゃならないんだな・・・。
現実的に考えて、今複数の猟銃を持つだけの余裕はないので、
うちの敷地に鹿が現れない限り、
当面、たまに標的射撃に行くくらいしか使い道はないかもしれない。
なお、今持っている銃弾は標的射撃用として譲り受けしたもので、
この銃弾を狩猟や駆除に流用する事は出来ない。
つまり、同じ銃弾であっても、
狩猟も考えるなら狩猟用として許可を受けて銃弾を買わねばならず、
同じ銃弾なのに融通はきかない。
狩猟もいつでも撃てるわけじゃなく猟期は決まっているし、
駆除は駆除で許可を得なければならないしで、
手続きは複雑、面倒でお金がかかり、色々と大変。
いずれにしても、いつか機会があれば、
友人のハンターに同行してもらって鹿猟に行ければ良いなぁ。
経験を積まないと、射撃場以外で撃てる気がしない。

ハーフライフルで標的射撃

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晴れ 最高気温:6.5℃ 最低気温:-1.9℃

買い出しついでに帯広国際射撃場へ行き、
ハーフライフル、ターハントRSG20の試射で標的射撃。
教習射撃で撃った散弾銃とは違ってすごい衝撃で、
右肩にドカンと来てビックリ。
先日日記に書いた3種類の銃弾をそれぞれ5発ずつ撃ったところ、
レミントンは衝撃が柔らかく撃ちやすかった。
いずれの弾もそれなりに標的を外れることなく命中し、
初めてにしては上々かな。
これからも時々練習がてら撃ちに来ようと思う。

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講習会「カウコンフォート&牛の健康な蹄」

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雨後曇り 最高気温:10.0℃ 最低気温:2.9℃

酪農機器メーカーのオリオン主催の講習会、
「カウコンフォート&牛の健康な蹄」が、
十勝農協連5階大会議室であったので、出席した。
こういう講習会に出てよく思うのは、
繋ぎ飼いの牛舎の事が取り上げられる事が少なく、
大概、フリーストール牛舎での事が取り上げられるので、
参考になる部分が少ないというのがちょっと残念。

今回、興味深かったのは可動式ネックレールの話。
うちは繋ぎ飼い牛舎なので構造は違うんだけど、
牛を導入した当初、
牛が餌槽にはみ出して寝てしまって立てなくなったり、
前へ出過ぎる事で牛床は半分から後ろは糞尿でドロドロ、
もちろん牛も糞尿まみれになるという散々な状況だった。
根本的な解決をするにはお金がかかりすぎるので、
牛が前へ出過ぎないようロープを張って対応してきた経過がある。
まあこれが、可動式ネックレールとほぼ同じだったので、
自分のやってきた事はかなり効果的だったんだなぁと。
ロープはしなって柔軟に動くため牛の体格差を問題にしないし、
もちろん、牛にも優しい。
ただ、あまりに大きく差がある場合は、
ロープの張る高さを変えて対応している。
というのも、最初に導入した牛は小さい牛が多い一方で、
後から導入してきた牛は大きい牛ばかりなので、
色々と試行錯誤して工夫をしてきたつもり。
おかげで牛が餌槽に出てしまう事もなくなったし、
牛も糞尿で汚れる事も少なくなった。

講習会、最後まで聴いていたかったんだけど、
夕方の搾乳作業時間に間に合わなくなってしまうので、
15時過ぎに退室して帰ってきた。
こういう講習会に出ると興味深い事も多く刺激になるので、
また機会があれば出席したいと思う。

TPP交渉参加?!

晴れ後曇り 最高気温:3.4℃ 最低気温:-7.0℃

安倍首相がTPP交渉に参加すると発表。
日本経済全体ではプラスになるという試算なんてどうでも良く、
農業を天秤にかける事自体、ちょっと信じられないし、
そもそも食料を自給出来ない国は真の独立国とは言えない。
コスト競争で勝てるわけがない国内の農業が崩壊し、
食料の供給の多くを海外に頼るようになってしまえば、
他国から食料の供給を止めるというカードを切られたら終わり。
止められないまでも、国の首根っこ掴まれた状態では、
ますます相手国の言いなりになっていくのが目に見えている。
まあ日本としてどうなっていくのかは当然心配だけど、
それ以上に、うちは農家としてやっていけるのかがもっと心配。
まだ新規就農したばかりで牛の頭数も揃っておらず、
ようやく経営的に流れが見えてきただけの弱小新参農家だけに、
ちょっとした事で大きく足を引っ張られてしまう。
永く農家であり続け、農家である事に誇りを持ち続けられるように
安倍首相は「日本の農業を、食を守る。」と言うのなら、
具体的にどうするのかきっちりと示して欲しい。
ただ、そもそもTPPと農業改革は別問題だとは思うけど。

全農ET研究所へ採卵相談

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雪 最高気温:-0.1℃ 最低気温:-7.1℃

酪農は雌牛が子牛を分娩して初めて牛乳を搾れるようになり、
分娩後1ヶ月くらいで泌乳ピークを迎えて、
後は徐々に乳量が落ち、やがては出なくなる。
普通は、分娩から2ヶ月もするとちゃんとした発情が来るようになり、
人工授精や雄牛による本交によって受胎させ、
ちゃんと受胎していれば受精から9ヶ月半後にまた子牛を分娩、
そしてまた搾乳していける事になる。
ただ、牛の繁殖を考える際、まだ別の方法もある。
それが受精卵移植、ET(Embryo Transfer)。
どうやってやるのかというと、
まずちゃんと発情が周期できちんとまわり、排卵をする雌牛に、
ホルモン剤を何度か注射して沢山排卵させるように過剰排卵処置。
そこに次の発情で授精すると沢山の受精卵が出来るので、
カテーテルを子宮角に挿入し、還流液を流し込んで回収(採卵)。
採卵した受精卵は、すぐに移植に使っても良いし、
すぐに使わない場合は液体窒素に入れて凍結保存が可能。
受精卵を移植する雌牛は発情後7日目前後が適期なので、
もし新鮮受精卵をそのまま移植する場合、
採卵日が移植日になるよう受卵牛の発情を調整しなければならない。
採卵されて受精卵を提供する牛は供卵牛(ドナー)、
受精卵を子宮内に移植される牛は受卵牛(レシピエント)であり、
受卵牛は自らの血を引き継がない他の牛の子を宿す事になる。
もちろんの事ながら、供卵牛にする牛というのは、
乳量や乳質、搾乳性などの能力に優れていたり、
体型も美しく共進会で上位入賞を果たしていたりと、
牧場主が後継牛を残したいと強く思う牛になるし、
受卵牛にする牛というのは、
特に後継牛が欲しいわけではない牛を選ぶ事になる。
受精卵移植を活用することで、
優秀な後継牛を多く得られ、牛郡全体の改良速度も上がる。

受精卵移植の事を簡単に書いてみたけど、
ブラウンスイスも増やしていきたいと考えているうちに、
ふと、うちのブラウンスイスのポピーを採卵しようかと思ったわけで。
採卵についてNOSAIに相談してみると、
上士幌は全農(全国農協連)ET研究所があるので、
採卵はそちらでやってもらうようにしているとの事、
ナイタイ高原の麓にあってうちの近所でもある全農ET研究所を訪れ、
色々と話を伺い、施設を見学させて頂いた。
心配していたのは、ブラウンスイスはホルスタインと比べて、
採卵や受精卵移植が難しいと聞いていた事。
その点に関しては、
ブラウンスイスは人懐っこくおっとりしているせいか、
ホルモン剤に対する反応が鈍く、
過剰排卵がホルスタインほどうまくはいかないんだとか。
だからホルスタインより採卵数が少なくなってしまうものの、
受精卵移植による着床率がホルスタインより低いわけではないとの事。
その他、色んな話をする事が出来、施設も見学させて頂いて、
とても有意義だった。
現実的に、ポピーがきちんと発情がまわるようになった段階で、
挑戦する余地があると思えればやってみようと思う。

もともと私は帯畜大時代、家畜の繁殖系の研究室にいたし、
こういう研究施設を見るとなんだかとても懐かしく感じた。
ちなみに、ブラウンスイスは過剰排卵が難しいというのは、
理由は違えど馬と少し共通しているなとも思った。
馬は卵巣の構造が他の家畜と大きく違っていて、
卵巣の髄質が皮質を覆うように表面に広がり、皮質が中心に存在する。
唯一皮質が外部に連絡している排卵窩と呼ばれる部位があり、
ここからしか排卵が起こらないため、そもそも過剰排卵が不可能。
馬は特に人工的に繁殖される事を拒むかのような構造を持っているため、
馬は人の手を加えてはいけない特別な動物なんだと思うようになった。
だからこそ、馬人工授精師の資格を持っているものの、
実際にはあえてやらないようにしている(苦笑)。

よつ葉乳業へ視察研修

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晴れ後曇り 最高気温:2.5℃ 最低気温:-1.1℃

酪農振興会支部の視察研修に参加し、
上士幌の牛乳が集められる音更の「よつ葉乳業」へ。
朝、こういう日に限って牛に発情が来るし、
獣医さんに早めに来て授精してもらったり、バタバタだった。
昼の餌やりや除糞も前倒しし、
何とか集合時間の10時に間に合った。

よつ葉乳業は1967年、ここ十勝酪農家の声を受け、
十勝管内の農協が中心となって設立された乳業メーカー。
今年、十勝主管工場の敷地を拡大し、
いくつかの工場も新設された。
この十勝主管工場では、1日1500トンの牛乳を受け入れ、
牛乳や加工乳、乳飲料の他、
バター、生クリーム、ヨーグルト、チェダーチーズにゴーダチーズ、
カマンベールチーズ、クリームチーズ、シュレッドチーズ等、
様々な製品が作られている。
ちなみに十勝管内では、上士幌町、士幌町、鹿追町、音更町、
帯広市、中札内村、幕別町(忠類含む)、更別村、豊頃町の牛乳が、
このよつ葉乳業に集められていて、
もちろんうちの牛乳もここに含まれる。
十勝ではそれ以外の、陸別町、足寄町、本別町、池田町、
新得町、清水町、芽室町が明治乳業へ、
広尾町、大樹町が雪印メグミルク、浦幌町が浦幌乳業へと、
酪農家の牛乳が集められている。

農家ではない方にとって、
どうやって牛乳が集められているか知らないかもしれないけど、
集乳車が各酪農家に行き、
酪農家にそれぞれ設置されている、
牛乳が貯められている冷蔵施設であるバルククーラーに、
集乳車のホースを直結して、吸い出していく。
何キロの牛乳を吸い出したか、伝票が置かれていき、
月に1回、乳量や乳質に応じて乳代が各酪農家に支払われる。
牛乳で満たされた集乳車は、工場に着くと計量され、
工場で受け入れる前に牛乳の品質が検査され、
合格した牛乳が集乳車から抜き取られてサイロタンクに貯乳される。
その後、様々な工程を経て、各製品へと加工され、
全国へと届けられるという仕組み。
色々と見学させてもらい、
うちの牛乳がどうやって製品となっていくのか、
頭では分かっていても、実際に見ると感慨深かった。

ちなみに工場の方がおっしゃっていたけど、
やはり一般の消費者の方は、
牛はいつでも搾れば乳が出ると思っている人が多いらしく、
当たり前の事が理解されていない、
生産現場の事はほとんど知られていない事が残念だった。
牛だって哺乳類なので、
人に当てはめて考えてもらえれば分かりそうなものだけどな。
もちろん乳を搾れるのは、子牛を分娩した雌牛のみで、
分娩しない雌牛や、雄牛は牛乳を生み出さない。
餌代をかけ、繁殖管理をし、牛を健康に保ってこそ、
牛乳を搾り、収入を得られるわけで。
牛乳は母牛が身を削って出してくれていて、
本来は子牛が全て飲むものを人間がお裾分けしてもらっている。
一般的な酪農家さんは年中無休、毎日早朝と夕方の2回搾乳し、
普通のサラリーマンが仕事をしてない時に主となる仕事をしている。
生き物を扱う仕事は奥が深く大変で、
そんな苦労の結晶である牛乳が、
ミネラルウォーターと同じくらいの値段なのが悲しい。
牛乳がどうやって商品となっていくかを知ってもらう事はもちろん、
牛乳そのものがどうやって生産されているのか、
苦労やこだわりを知ってもらえると生産者冥利に尽きるんだけどな。

よつ葉乳業を後にし、昼食は帯広の「はま屋」で焼肉。
初めての店だったけど、とても美味しい焼肉だった。
この視察研修は良い刺激になったな。
またこういう機会があれば、今後も是非参加したい。

お近くの店によつ葉乳業の製品がなく、
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